「セーフティー・はーと」を始めるに当たって

連日,いろいろな事件・事故が発生しています。いろんなところで,海,山,川,空,電車の中でも。日本中,安全な場所はないと思われるほどです。本会は,各種災害の知識および技術の向上と普及により産業の発展および社会の福祉に貢献することとしています。私たち普及委員会では,セミナーや講演会を企画・実施してきましたが,事件・事故の発生が多岐にわたっていることから「専門家の目線から,地域住民や市民の目線にたった」企画も必要ではないかと感じています。そのためには,私たちから情報の発信をまず行い,見ていただいた方からご意見や要望を聞かせてもらう必要があるとの認識に立ち,メンバーが交代で日々の生活や事件・事故で感じたことをありのままに綴ってみようということになりました。


メンバーは大学の先生から企業や研究機関の研究者,企業の安全・保安の担当者等さまざまです。勝手ながら,ここでは,所属する団体とは離れて個人の立場で自由に発言します。また,本会の見解を表明しているわけではありません。皆様方の忌憚のないご意見・ご感想をお寄せ下さい。

セーフティー・はーと

第41号

2003年4月7日 14時07分

高木伸夫  <システム安全研究所>
企業モラルが問われて久しくなる。最近でも多くの不祥事が相次いでいる。化学プラント、鉄道、電力など社会を構成する多様な産業の安全確保にあたってその基本となるのが企業安全理念である。

第40号 韓国邸丘の地下鉄惨事に想う(その1 桜木町駅電車炎上事故)

2003年3月17日 14時04分

坂 清次 (株)三菱総合研究所 客員研究員
2月18日に韓国の邸丘で起きた地下鉄放火事故は、死者が200人以上と空前の惨事となった。先行の事故車両の被害より、後から駅に進入してきた対向車両で大半の死者が出るということになり、放火犯に加え、事故車と対向車の運転士、運行司令室と火災警報の設置された設備司令室の地下鉄関係者7名に逮捕状が出ている(3月12日現在)。

第39号 第18期学術会議安全工学専門委員会報告書

2003年3月3日 14時03分

小川輝繁   <横浜国立大学大学院工学研究院>
本年は学術会議の18期と19期の変わり目の年です。そこで、第18期安全工学専門委員会(委員長 菅原進一東京大学大学院教授)の報告書を作成しています。

第38号

2003年2月17日 14時03分

飯塚義明   <三菱化学㈱>
この原稿は、当方にとって第3作目(4作目?)になります。今回の原稿の締め切りはずっと先かと思っていました。事務局から「明日が締め切りですよ」とメイルを頂き、あせって思いつくまま文字を埋めだしています。

第37号 プロジェクトX 挑戦者たちに思う

2003年2月3日 14時01分

西 茂太郎   <練馬区在住>
中島みゆきのテーマソングで始まるNHK「プロジェクトX 挑戦者たち」は私の好んで観る番組の一つである。1月7日に放送された「世界最大の船 火花散る闘い」は、注文主が、私が仕事をしている会社ということもあり、特に身近なものと感じられた。

第36号 日本の安全倫理教育は?

2003年1月21日 14時00分

和田有司 <(独)産業技術総合研究所>
2002年12月に安全工学協会で実施している「…高度安全教育プログラムの構築プロジェクト」の海外調査のために米国に出張した。

第35号 安全文化とは?

2003年1月6日 14時00分

福田 隆文  <横浜国立大学> 
安全文化という言葉を聞くようになって久しい。意味もわかるような気がするし,「安全文化」の大切さもわかったつもりでいた。ところが,よくよく,これはどのような意味だろうか,と考えると,「文化」という言葉に引っかかった。

第34号 アリとキリギリス

2002年12月16日 13時59分

坂 清次 (株)三菱総合研究所 客員研究員
イソップ物語は、みなさんよくご存知の寓話集です。ここのところ、グリム童話などと一緒に見直され、ブームの気配すらあります。驚くことですが、海外では私たちが知っているのと異なった解釈がなされています。

第33号 2002年11月の事故2件

2002年12月2日 13時58分

田中 亨  <横浜市在住>
エンジニアリングコントラクターで、30年弱、プロセスプラントを中心とした安全評価、リスク解析の業務に従事しています。安全工学協会とのお付き合いは、第285回編集委員会(1986年9月2日開催)に出席して以来、16年強の期間になります。

第32号

2002年11月18日 13時58分

大島 榮次  <安全工学協会 前会長>
安全確保には2つの異なった要素が必要であると言えます。一つは安全確保のルールであり、もう一つは決めたルールが守られるかという問題であります。