「セーフティー・はーと」を始めるに当たって

連日,いろいろな事件・事故が発生しています。いろんなところで,海,山,川,空,電車の中でも。日本中,安全な場所はないと思われるほどです。本会は,各種災害の知識および技術の向上と普及により産業の発展および社会の福祉に貢献することとしています。私たち普及委員会では,セミナーや講演会を企画・実施してきましたが,事件・事故の発生が多岐にわたっていることから「専門家の目線から,地域住民や市民の目線にたった」企画も必要ではないかと感じています。そのためには,私たちから情報の発信をまず行い,見ていただいた方からご意見や要望を聞かせてもらう必要があるとの認識に立ち,メンバーが交代で日々の生活や事件・事故で感じたことをありのままに綴ってみようということになりました。


メンバーは大学の先生から企業や研究機関の研究者,企業の安全・保安の担当者等さまざまです。勝手ながら,ここでは,所属する団体とは離れて個人の立場で自由に発言します。また,本会の見解を表明しているわけではありません。皆様方の忌憚のないご意見・ご感想をお寄せ下さい。

セーフティー・はーと

第91号 モスクワの大規模停電について思うこと

2005年7月8日 13時16分

今泉博之 <独立行政法人 産業技術総合研究所>
都市が大規模災害に見舞われたら・・・。“現代社会の脆弱性”が叫ばれて久しいが,それを如実に示す出来事がモスクワで発生した。

第90号 自然災害と危機管理

2005年6月16日 13時11分

安田憲二 <岡山大学>
昨年から今年の初めにかけて,台風や地震などの自然災害が荒れ狂いました。人為的な災害と異なり,自然災害を無くすことはできませんが,災害が生じた後の危機管理の重要性は人為的な災害と同じです。

第89号 そして「変更管理」の問題による事故は繰り返される

2005年5月16日 13時08分

渕野哲郎 <東京工業大学所> 2005年5月16日掲載
大惨事となったJR西日本福知山線での脱線事故に関して,信じられない「新事実」が,事故後一ヶ月近くたつ今も,頻繁に報道されています。

第88号 大規模事故の続発に思う

2005年4月12日 15時10分

藤田哲男 <東燃化学(株)>
一昨年,製造業等での大規模事故が続発したのに伴って,関係省庁を中心として種々の対策が講じられて来たことは,記憶に新しいと思いますが,この所,自然災害を含めて内外でまた大規模事故が後を絶たない状況にあるようです。

第87号 F君の思い出

2005年3月12日 15時10分

西 茂太郎
33年前の冬,私は有為な後輩F君を事故で失いました。極く身近な同僚を失ったのは後にも先にも彼だけです。「今度の土曜,日曜は夜勤明けの連休ですので,故郷の宮崎からフィアンセが遊びに来ます。

第86号 疑問・質問事故事例

2005年2月18日 15時08分

中村 順 <科学警察研究所>
先日,全国の県警において火災,爆発事故の現場調査を担当されている科学捜査研究所の技官の方々と事故事例について話し合う機会を持ちました。電気火災,化学火災,爆発事故など多くの事故事例について発表していただき大変参考になりました。

第85号

2005年1月15日 15時07分

高木伸夫 <システム安全研究所>
1:29:300というハインリッヒの法則が示すように,大きな事故の背景には300という小さなトラブルが発生しており,小さなトラブルを防止することが大きな事故の防止につながる。

第84号 同じ様な事故を繰り返さないために

2004年12月23日 15時03分

島田行恭 <産業安全研究所>
先日,ある工場の爆発事故調査に同行しました.1名死亡7名重軽傷という被災状況でした.現場に入ったのは事故発生の翌日でした.

第83号 仕組みと運用

2004年12月3日 15時01分

小川輝繁 <横浜国立大学>
現在,我が国に事業所の安全対策をみると,重大な事故に発展する可能性のあるものについてはハード対策にコストをかけて,重大災害にならないようにする努力がなされている。

第82号

2004年11月23日 15時00分

飯塚義明 <㈱三菱化学科学技術研究センター フェロー>
阪神・淡路大震災からもうすぐ10年を経過しようとしている。高速道路,ビルの倒壊など近代都市部地震災害の衝撃的な様相をテレビ画面から見たのがほんの昨日のようである。