「セーフティー・はーと」を始めるに当たって

連日,いろいろな事件・事故が発生しています。いろんなところで,海,山,川,空,電車の中でも。日本中,安全な場所はないと思われるほどです。本会は,各種災害の知識および技術の向上と普及により産業の発展および社会の福祉に貢献することとしています。私たち普及委員会では,セミナーや講演会を企画・実施してきましたが,事件・事故の発生が多岐にわたっていることから「専門家の目線から,地域住民や市民の目線にたった」企画も必要ではないかと感じています。そのためには,私たちから情報の発信をまず行い,見ていただいた方からご意見や要望を聞かせてもらう必要があるとの認識に立ち,メンバーが交代で日々の生活や事件・事故で感じたことをありのままに綴ってみようということになりました。


メンバーは大学の先生から企業や研究機関の研究者,企業の安全・保安の担当者等さまざまです。勝手ながら,ここでは,所属する団体とは離れて個人の立場で自由に発言します。また,本会の見解を表明しているわけではありません。皆様方の忌憚のないご意見・ご感想をお寄せ下さい。

セーフティー・はーと

第71号 科研費はどうなっていくのか

2004年7月5日 14時42分

(独)産業安全研究所 板垣晴彦
研究所に「科研費制度についての説明会を開くので参加されたし」との通知が届いた。
最近、不正使用がマスコミでしばしば取り上げられるので、採択された機関への周知徹底であろうと、出かけていった。

第70号 PSAM7に参加して

2004年6月21日 14時42分

福田 隆文 <横浜国大>
確率論を基にした安全評価と管理に関する国際会議PSAM(Probabilistic Safety Assessment and Management)が、今年はベルリンで6月14日から18日までに開催され、私も参加してまいりました。500余件に発表があり、盛況でした。

第69号

2004年6月7日 14時41分

大島榮次  <東京工業大学名誉教授>
事故統計によると、平成12年以降石油コンビナート事業所の事故件数は微増の傾向が見られます。

第68号 自主保安は自守保安

2004年5月19日 14時40分

坂 清次 (株)三菱総合研究所 客員研究
少し古い話になりますが、りそな銀行に預金保険法第102条により公的資金が注入され、事実上の経営破綻で国による管理下に入りました。自己資本比率という最重要な尺度から判断されたもので、リスク対応が問われたものでした。

第67号 安心な社会への進歩

2004年5月6日 14時39分

和田有司 <(独)産業技術総合研究所 爆発安全研究センター>
同時多発テロ以後の社会に対する不安の裏返しであろうか,「安心な社会」というキーワードがよく聞かれるようになった。「安心な社会」とはどんな社会であろうか。

第66号 回転ドア災害と安全工学の常識

2004年4月19日 14時37分

若倉正英 <神奈川産業技術総合研究所>
六本木ヒルズ(森ビル)の回転ドアに小学生がはさまれ、亡くなる事故があってから回転ドアの危険性が急にクローズアップされている。

第65号

2004年4月5日 14時35分

平田 勇夫   <野田市>
2000年6月、群馬県の事業所でヒドロキシルアミン(HA)蒸留装置が爆発し、死者4名と多数の負傷者を発生する惨事となった。その後、HAとその塩類の危険性が評価され、消防法危険物第5類に指定された。

第64号 再発を防止することと新たな事故を防止すること

2004年3月16日 14時30分

三菱総研 野口
プロの目と市民の目

 事故が発生する。事故分析が行う。失敗に学ぶ。この一連の活動は、もはや当然の活動となっている。
しかし、この一連の活動の目的をもう一度整理してみたい。

第63号 事故のシナリオ

2004年3月1日 14時29分

科学警察研究所  中村順
平成15年に起こった爆発事故は新聞記事を整理してみると72件であった。一昨年の2倍の発生件数である。

第62号 最近の事故増加に思うこと

2004年2月16日 14時28分

高木 伸夫 <システム安全研究所>
ここ数年、火災爆発事故といった化学事故が増加の傾向にある。これら事故を振り返ると、旧動燃のアスファルト固化施設での火災爆発事故、廃プラスチック油化プラントやRDF貯槽、また、ごみ処理設備での火災爆発事故、タイヤ工場や製鉄所での火災爆発事故など従来型の化学産業とは異なった分野において増加傾向にあることが特徴として挙げられる。